Roy's Again 

2019年02月20日 13:02
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2012年に足を踏み入れた時、どこにでもある「郊外の町」だなと思った。
やってきた場所は愛媛県大洲市。関東生まれの僕にとっては初めて聞く名前だった。Sa-Rahという服飾ブランドのWeb CMを作るために、まだ慣れぬ道を小さい車で辿った。
Roy’sという店にはじめて入ったのは、おそらくこの時である。店ができたのは2011年だと云うから、そう遠くない。
何の縁があるのか。それからほとんど毎年、大洲市に通った。半年がかりで、千人近くの大洲市民を撮影し回ったこともある。慣れぬ道は、いつしかナビすら使わず地元のように走れる道になった。どこにでもある町であった筈の町は、ここにしかない町に変わった。
僕にとってRoy’sは「とりあえず行っとくね」と誰かに言う場所だった。そこに行くとたいがいオーナーの廣美さんがぬっと現れ、ハグをしてくれる。あたりまえのように、そこで長い時間を過ごした。
ある時は、『産土』の上映会を開いてもらったこともある。
映画の内容を踏まえて、大洲の「産土メシ」を作ってくれた。自由と笑顔とが、ここにはあった。
2018年の集中豪雨で肱川が大氾濫をし、大洲市が水浸しになったのは、記憶に新しい。カメラを持って撮影しに赴きたい衝動に駆られた。だが僕は行かなかった。
行けなかったという方が正しいかもしれない。
凡百の報道機関のように、人の悲劇に付け入り、小さな希望を強引に探索するのは憚られた。無論映像を作る人間である以上、上記のようなことはいくらでも日々繰り返している筈であるが、そうするには余りにも僕はこの場所を知りすぎていたし、彼らの呻吟や苦悶を、撮影することはできなかった。
そしてあたりまえだった場所が、あたりまえに行けなくなった時それがどれほど大きい存在だったかを痛感し、閉ざされた店の前で呆然とした。
廣美さんが店を再開させる報を聞いた。
しかもあの同じ場所に、だ。
眠っているHDDの中を探し、かつてこの店で撮った映像を探した。
5Dでの映像をやめて、GH4で初めて撮った映像。全編手持ち撮影。
画質の低さと暗部ノイズが、今ではちょっと懐かしい感じ。
あらためて、思う。映像が、その当時の技術的拙さなど忘れて、だれかの役に立てるとしたら、それは過ぎ去ってしまった時間を、改めてそのだれかの前に提示できるということかもしれない。
忘れがちになるが、それは今更ながらに、魔法のようなものだ。
音楽は、いつも一緒にやっている Hidetoshi Koizumiさんの
”Distruction Blue” という曲を使わせてもらった。
これは彼が震災後に、その復興を祈り作った曲。
いつか使いたいと思っていたけれど、この映像で。
これは僕のささやかな応援である。
僕ができるのはこれくらいしかないけれど、
もう一度、あたりまえの日々を取り戻してもらいたい。
長岡マイル
【お願い】
店の復活へと向けた
クラウドファンディングにぜひご協力ください。
http://bit.ly/2IqB9oH
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